1. 「暗記」から卒業する前置詞の考え方

英語を学び直そうとすると、必ず壁になるのが前置詞です。
at=~に、in=~の中に、on=~の上に——。

多くの人がここで立ち止まります。しかし、受験英語でもTOEICでも、前置詞は「訳」ではなく「状態」を読むものです。

前置詞は、人の立ち位置・役割・モードを切り替えるスイッチなのです。

【イラスト①】頭の中のスイッチが切り替わるイメージ(MODE ON / OFF)

2. at は「場所」ではなく「拠点」

まず押さえたいのが at です。

・at work
・at home

ここで重要なのは、なぜ the がつかないのかという点です。

これは建物という「箱」の話ではありません。働く・くつろぐという機能(役割)にチェックインしている状態を表しています。

つまり at は、「いつもの拠点・ベースキャンプ」を示す前置詞なのです。

【イラスト②】ベースキャンプ(at work / at home)の図

3. off は「休み」ではなく「離脱」

次に off です。

・off work
・off duty

off の本質は「休み」ではなく、それまでいた拠点・役割からの切り離しです。

スイッチをオフにするように、日常のレールから一度外れる感覚を表します。

【イラスト③】レールから外れる人(OFF)のイメージ

4. on は「上」ではなく「舞台・モード」

ここが今回の核心です。

・on vacation
・on holiday
・on a break

on は単なる「上」ではありません。特定のモード・舞台に乗っている状態を表します。

仕事という拠点(at work)から離れ(off)、非日常のレールに乗る。それが on です。

【イラスト④】別の舞台・レールに乗る(ON MODE)の図

5. なぜon work とは言わないのか?

多くの学習者が疑問に思うポイントです。

仕事は、わざわざ『乗る』舞台ではありません。そこにいるのが当たり前の拠点だから at work なのです。

一方で on duty は存在します。これは『責任が表に出ている状態』、つまりスイッチが入っていることを強調した表現です。

【イラスト⑤】通常モード(at work)と責任モード(on duty)の対比

6. まとめ:前置詞は人生のモード切替ボタン

・at:いつもの拠点・役割
・off:そこからの離脱・解放
・on:特別なモード・舞台

前置詞を日本語訳で覚えるのではなく、自分が今どの状態にいるかをイメージする。

それが、受験英語でもTOEICでも、迷わず前置詞を選ぶ力につながります。

次回予告

次回は in / into / out of が作る、「入り込む・抜け出す」モードを整理します。

なぜ in trouble はOKで on trouble はダメなのか。
ここが分かると、英文の見え方が一段変わります。