「使役動詞のhave」と「現在完了形のhave」。

学校では別々の章で習うこの2つですが、実は根っこは全く同じだということに気づいていますか?

「英語をやり直したいけれど、完了形がどうしても苦手……」

そんな方は、動詞の変化を覚える前に、まずは「have」という単語が持っている景色を整理してみましょう。

■ 1. 似ているようで、全く違う2つの文

まずは、次の2つの文を比べてみてください。使っている単語はほぼ同じです。

  • A: I have my car washed.
  • B: I have washed my car.

この語順のわずかな違いが、実は「誰が洗ったのか」や「今の自分の気分」に大きな違いを生んでいます。

■ 2. パターンA:「洗われた状態」を所有する(使役)

A: I have [my car / washed].

この文では、my car と washed の間に、「車が・洗われる」という「SV関係(主語・述語の関係)」が隠れています。

ここでの have は、「洗われた状態の車」を自分のテリトリーに持っている、という状態を表しています。

  • ・見える景色:自分の視線の先には、ピカピカになった「車」がある。
  • ・ニュアンス:業者に頼んだのか、誰かが洗ってくれたのか。自分はエネルギーを使わず、結果としての「きれいな車」を客観的に所有している感覚です。

■ 3. パターンB:「やり遂げた事実」を所有する(完了)

B: I have [washed / my car].

一方、こちらは washed と my car の間に、「車を・洗う」という「VO関係(動詞・目的語の関係)」があります。

  • ・見える景色:自分の視線の先にあるのは、車そのものよりも「洗いきった!」という自分の行動です。
  • ・ニュアンス:自分がエネルギーを出し、作業を完了させた。その「達成感」を、今、自分の領域に抱え込んでいる感覚です。

どちらも have =「~という状態を今持っている」という状態動詞であることに変わりはありません。しかし、語順を変えるだけで、自分の「達成感」の有無まで表現し分けられるのです。

■ 4. 過去形にはない「今の体温」

よく「過去形(I washed)と何が違うの?」という質問を受けます。

  • ・過去形(I washed):過去の「写真」です。今、車がきれいかどうか、今の自分がどう感じているかは関係ありません。
  • ・現在完了(I have washed):洗い終えた「達成感」を今も右手に持っている状態。だから、「今、車はピカピカだよ!」「やり遂げたよ!」という今の体温が乗っています。

文法は暗記ではありません。

「今、どんな状態を自分の手元に持っているのか」

その景色をイメージするだけで、英語はもっとシンプルに、もっと自由になります。