「仕事(work)はなぜ数えられないの?」「a piece of とか part とか、結局どう違うの?」

英語を教えていると、必ず生徒がつまずくのが「可算・不可算名詞」の壁です。

今回は、私が予備校の授業でも伝えている「上位互換」という考え方と、「ピザ」を使った直感的な見分け方を公開します。

1. 「仕事」はなぜ量で測るのか?(上位互換の法則)

私はよく生徒に、不可算名詞は「上位互換」なんだよ、と教えています。

例えば「work(仕事)」。

「仕事を一つくれ」と言われても、何を渡せばいいか分かりませんよね。資料作成なのか、電話応対なのか……。

つまり、workは具体的な形がない「エネルギーの総量」を指す上位概念。

英語話者は、輪郭のない work を「1つ、2つ」と数える代わりに、「量(much)」として捉えます。

だから、too much to do と言ったとき、それを受ける代名詞は it になるのです。

2. 「切り出し方」で変わる piece / part / portion

では、その数えられない「塊」をどう数えるか。

ここで登場するのが、みんな大好き「ピザ」の例えです。

大きなピザ(全体)を、どうやって切り分けるかで言葉が変わります。

piece:乱暴に「引きちぎった」もの

形も役割も関係なく、ただ全体からパキッと切り離されただけの「断片」です。

だから a piece of work と言います。

part:きちんと「切り分けた」もの

全体を構成するために必要な「1スライス(部品)」です。

それがないと全体が成立しない、論理的なパーツを指します。

portion:誰かに「手渡された」もの

「はい、これはあなたの分だよ」と割り当てられた「分け前(1人前)」です。

目的や配分のニュアンスが含まれます。

3. 熟語の核心:なぜ「take part in」と言うのか?

この「ピザのスライス」のイメージが掴めると、熟語の暗記も不要になります。

例えば、take part in(~に参加する)。

なぜ piece ではなく part なのか?

それは、単に断片(piece)を持ってそこに居るだけではなく、

全体という「ピザ」を完成させるための欠かせない1スライス(part)を、自分の役割として手に取る(take)から。

「自分という部品をはめ込み、役割を担いに行く」

そう捉えると、take part in が「参加する」という意味になるのは、必然だと思いませんか?

最後に

「数えられない名詞」は、決して意地悪でルールが決まっているわけではありません。

その言葉を、英語話者が「量」として見ているのか、それとも「どう切り出して」扱おうとしているのか。

その視点(認知)を少し変えるだけで、英文法はもっと立体的で面白いものに見えてくるはずです。