2024年夏。うだるような暑さ。灼熱と化した倉庫内で作業をするが、作業効率は低下の一途をたどる。天井から頭上に降り注ぐ熱気が判断能力を鈍らせる。晴天が続くこの季節、鉄骨の屋根が太陽の熱を吸収し続けているからだ。
空調設備や冷感グッズを取り入れるが、追いつかない暑さ。まだまだ気候変動は進む予感。
これはもう、自分自身も環境に適応していくしかない!
倉庫業務を20年以上続け、体内年齢を実年齢より10才以上若く保っている筆者が、簡単な心構えと、ちょっとした習慣で、暑さを気持ちよく乗り切る方法を解説。
熱中症特別警戒アラート
猛暑が酷暑となり、熱中症警戒アラートが環境省・気象庁から発令される日々。
2024年4月から、熱中症警戒アラートよりも一段高い警戒を呼び掛ける、熱中症特別警戒アラートの運用も開始された。
※2024年9月において、日本全国で熱中症特別警戒アラートが発令されることはありませんでした。
そもそも熱中症とは何か、そしてその警戒アラートについて確認しておくことが重要です。これは命に関わることですから、しっかりと理解しておきたいポイントです。
猛暑対策として空調設備、スポットクーラーを導入
暑い暑いは止まらない。ということで、スポットクーラーを導入してもらった。
注文した翌日に配達してくれるなんて、本当に有難い。配達員さん。いつもいつも、ありがとうございます。

届いたスポットクーラー。
早速組み立てて、スイッチオン!
おおーーっ。これはいいねー。風が冷たい。
て、あれ??止まった。てか、扇風機まで止まった。
うわっ。ヤバい。ブレーカー落ちたなこれは。
町の電気屋は救世主
「おーわしや。倉庫の電気、見てくれるか。クーラー切れてまうわ。」
「おーすぐな。熱いわえ。」
「おーかまへん。すぐな。」
なにやら強引にお願いをするおじいさん。
昼間の暑い時間は仕事をしない。と決めている同級生に頼んだらしい。
御年72歳。出てくる言葉に痛いは多くなったけれど、強いよなーと日々感心する。
結果、小一時間で直してくれた。配線は電気屋さんが頼りだね。
「おーなんぼや。」
「おー二千円か。すまんな。」
二千円?いったい何時代?と思うのは私だけ?
暑さが気持ち良いと思える瞬間を体験する
ところで、スポーツ選手の汗って、どうして暑苦しくないのだろう。

大粒で玉のような汗。
生命を感じる溢れる汗。
キラキラ輝いて綺麗な汗。
努力の証として流れ出る汗。
汗だくなのに、暑いことさえ、気持ち良さそうに見える。
実際に、スポーツ選手は暑さに強いとされています。
では、なぜ、強いのか。暑さに強い人だけが、スポーツ選手になれるのか。違います。
答えは、暑さに対する順応を目的とした「暑熱順化」のトレーニングによるものです。
暑さに慣れる方法に、暑熱順化を取り入れる
ズバリ、暑さを乗り切るには、暑熱順化を取り入れることです。
スポーツ選手ほどのトレーニングや訓練を行う必要はありません。
「暑熱順化」の仕組みを理解すれば、それを日常生活に取り入れることができます。
つまり、順化の方法が分かれば、暑さに慣れ、さらには、暑さに強くなります。
暑さが辛いだけのものではなく、時にはその暑さが気持ちよく感じられる瞬間を作ることも可能です。
もしかしたら暑さを楽しむなんて、信じられないかもしれませんが、実際に暑熱順化してみると、実感できるはずです。
筆者も、長年の倉庫作業に携わるうちに、自然と暑熱順化を体得していました。
では、暑熱順化の理論を簡単に分かりやすく説明します。
暑熱順化のやり方と、いつから始めるか
暑熱順化は、自身の体が、高い気温や湿度に慣れるためのプロセスのことをいいます。
つまり、徐々に体が暑さに適応することを意味します。
やり方は簡単。春先から、屋外で軽作業や活動をしましょう。
日向ぼっこもいいですね。これを日常生活の習慣にします。
そうするうちに適応するのです。
もし、春先という時期が難しければ、時間帯でも効果があります。
1日の中で最も涼しい時間帯から少しずつ、体を慣らしていくことが効果的です。
もう一歩踏み込んで、さらに暑さに強くなるために。暑熱順化トレーニングの方法
無理のない範囲で慣れることが最も大切なことですが、トレーニングも紹介しておきます。暑熱順化トレーニングは、体が熱に対してもつ耐性を高めるための非常に効果的な方法です。このトレーニングでは、暑い時間帯に定期的に運動をすることが推奨されます。例えば、週に数回、30分から1時間程度のジョギングやウォーキングを行うことで、体が暑さに強くなります。この際、大切なのは十分な水分補給を行うことです。水分をこまめに摂取することで、体温が過度に上昇するのを防げます。また、運動後はしっかりと休息し、体が回復する時間を設けることも忘れないでください。
暑熱順化の習慣を取り入れて真夏の倉庫作業を快適にする
実は、暑さに慣れること(暑熱順化)は、思っているよりもずっと効果的です。日常生活で、暑さを少しずつ体を慣らしていくことを習慣にすれば、真夏の厳しい環境でも快適に作業ができるようになります。
ぜひ、真夏を快適に過ごすために、暑熱順化を取り入れてください。
個々の生活習慣に暑熱順化を取り入れ、気持ちよく季節を感じられるといいですね。