こんにちは。

今日は、2026年度の京都大学・大問1(b)に出題された一文を題材に、

多くの学習者が丸暗記で済ませてしまいがちな「動詞の語法」の深淵をのぞいてみましょう。

取り上げるのはこの一文です。

Now their genes could testify to their existence.

ここで受験生(そして大人のやり直し学習者)がぶつかる壁があります。

「testify(証明する)は、なぜ直接 O を置かずに “to” が必要なのか?」

実はここには、英語の「伝える」系動詞に共通する、非常に面白いロジックが隠されています。

1. 「内容」の that節 vs 「対象」の to

● testify that SV(内容そのもの)

that以下の「事実の内容」をダイレクトに提示します。

情報をパッケージにして相手に渡すイメージです。

→ 中身を“箱ごと”差し出す感覚。

● testify to O(対象への矢印)

前置詞 to は「方向・到達」を表します。

ある「対象(O)」に向けて、自分の証言や言葉という矢印を投げかけているイメージです。

testify to their existence は、

「彼らの存在」という事実に向かって、遺伝子が

「ほら、ここに証拠があるよ」と指し示している構図です。

ここでは“内容を述べる”というより、

“その事実を裏づける方向へ光を当てる”という動きが強調されています。

2. 身近なフレーズとの共通点

● What do you say to V-ing?

「~しませんか?」という表現も同じ構造です。

「~すること」という提案(対象)に対して、

「あなたはどんな言葉を投げかけますか?」と聞いています。

矢印は常に to の先に向かっています。

● The victim testified to having been attacked from behind.

(被害者は、背後から襲われたことについて証言した)

ここでも、「襲われた」という出来事が対象。

その出来事に向かって証言という矢印を当てています。

3. 京大が求める「読解力」の正体

無生物主語(genes)の場合、

testify to は自然に「~の証拠となる」「~を裏付ける」と訳せます。

これは丸暗記ではなく、

to = 矢印の方向という空間イメージを持っているかどうかで決まります。

「遺伝子が、それらの存在という事実に光を当てている」

この映像が浮かべば、初見の英文でも自然な訳が立ち上がります。

まとめ

  • that節 は「中身(内容)」を伝える。
  • to O は「指し示す先(対象)」にアプローチする。

単語と前置詞が織りなす「矢印の向き」を意識するだけで、

英文の見え方は大きく変わります。